論文の閲覧にiPad pro 12.9インチを愛用しています。
Kaiも以前は紙で印刷して読んでいましたが、iPadでの閲覧が非常に快適なので、現在では紙で論文を読むことはほぼ無くなりました。
今回の記事では、論文を読むのに適した媒体について解説します。
論文を読む媒体はどれが良いか?:紙 vs PC vs タブレット
紙で論文を読む
現在でも紙で論文を読んでいる人が最も多いと思います。
紙で読むメリットとしては
- 軽いので持ち運びやすい
- 書き込みしやすい
- 紛失や故障によるリスク(個人情報漏洩、金銭面など)が少ない
などがあります。
一方で、
- 論文が増えると保管スペースが必要になる(かさばる、ファイリングが面倒)
- 保管スペースから後々探し出すのが面倒
- 書き込んだ論文を紛失すると手元に何も残らない
- 印刷にかかるコスト、環境への負荷
などはデメリットです。
PCで論文を読む
論文を探す際、個別のジャーナルのホームページやPubmedからPDFファイルを取得しますが、わざわざ印刷せずにPCで読む方もいると思います。
私自身、論文の管理はPCで行なっています(>論文管理の方法)し、精読するほどでない論文の場合には、PCでさっと眺めるだけのことも多いです。
PCで読むメリットとしては、
- 論文を探す→ダウンロードする→読む、の流れがシームレスに出来る
- 参考文献の参照や周辺知識についてのネット検索がしやすい
- 論文を後から読み返す際に検索しやすく、スペースを取らない
などがあります。
一方で、
- 横長のディスプレイでは閲覧しにくい
- (紙やタブレットと比較して)書き込みがしにくい
- 紙やタブレットと比較して重量があり、持ち運びにくい
などのデメリットもあります。
タブレットで論文を読む
上で述べた通り、紙もPCも論文を読む上でメリット・デメリットがあります。
PCでダウンロードした論文をタブレットで読む方法を特にお勧めしたいと思います。
>論文管理の方法
タブレットで論文を読むメリットとしては、
- 縦長の画面で閲覧しやすく、ページ送りの操作が直感的
- 書き込みがしやすい
- PCよりも軽く、持ち運びしやすい
など、PCのデメリットをうまく補っています。
デメリットとしては、
- 紛失や故障のリスク
- 論文管理の母艦としてはPCほどは使えない
などがあるかと思います。
とはいえ、論文のダウンロードは大学や病院のインターネット回線から、PCを使用する方が多いと思いますし、タブレットには論文閲覧だけではなく、ネット検索や電子書籍など、様々な用途があります。
その他、
- 紙で読まないと頭に入らない
という主張・研究がありますが、これは正直個人の好みの問題かと思います。
特に、幼い頃からスマホやタブレットに触れているいわゆるデジタル・ネイティブ世代の若い人達にとっては、紙もタブレットも扱いやすさに変わりはないのかもしれません。実際そういう報告もあるようです。
要するにメリット・デメリットを踏まえ上手く使い分ける必要があるということですね。
ひと昔前はスペックが十分でなくストレスを感じることも多かったですが、今ではタブレットは論文閲覧に十分使えるくらいに進化しています。
タブレットのOSはどれが良いか?:iOS vs Android
Androidタブレット:コスパ重視の方向け
かつては様々なメーカーからAndroidタブレットが販売されていました…が、現在は市場が縮小しているようで、
- HUAWEI
- ASUS
- NEC
くらいしか選択肢がありません。
7ー8インチ程度の比較的コンパクトなタブレットが中心で、10インチを超える大型のものはさらに少ないです。
デザインはiPadよりもチープなものが多い一方、価格は抑えられています。
Androidはアプリの審査基準が緩いこともあってか、アプリの完成度はピンキリです。
OS自体やアプリの安定性のためか、以前は自炊したPDFなど容量の大きなファイルを扱っていると挙動がもたつくことが多くありました。
製品のスペックの向上に伴い、現在はそうしたストレスは少なくなっていると思います。
Androidタブレットはコスパを重視する方に向いています。
iPad:おすすめ
ひとくちにiPadと言っても、現在は様々なラインナップがあります。
画面サイズの小さい順に並べると以下の通りです。
- iPad mini:7.9インチ
- iPad(無印):10.2インチ
- iPad Air:10.9インチ
- iPad pro 11インチ
- iPad pro 12.9インチ
iPad Pro 12.9インチ:論文を原寸大で表示したいなら
論文は本来A4サイズ(210×297mm)ですが、これをほぼ原寸大で表示したいならiPad pro 12.9インチ一択です。
普段の論文とほぼ同じサイズで画面も高精細なので、非常に読みやすいです。
純正のSmart Keyboard Folioを使えば、文章の入力もPCライクにできます。
重いので長時間持っていられない、電車の中で使うには辛いなどの指摘がありますが、そもそも私は電車の中で論文を読み込むことがありません。医局や家で論文を読む際もデスクや足の上にiPadを置くので、特にストレスは感じていません。
購入に多少のコストはかかりますが、外勤2−3回分でストレスフリーな勉強環境が手に入ると思えば、高すぎる買い物ではないと思います。
iPad mini:白衣のポケットに入れたい人、電車移動が長い人向け
上で述べた通り、論文を読みやすさを考慮すると画面サイズが大きければ大きいほど快適です。
ただし、白衣のポケットにiPadを入れて持ち歩きたい、電車移動の時間が長く、その時間で論文や電子書籍を読みたい、という方も一定数いるかと思います。
iPad miniは白衣のポケットにギリギリ入るサイズ(ただしぶつけないように注意する必要あり)で、当然ながらその他のiPadシリーズよりも軽いので、そうしたニーズに応えることができます。
一方で、スマホのサイズが大型化しつつある昨今では、スマホとの棲み分けがやや曖昧になっている印象もあります。
その他のiPad:論文の読みやすさは多少妥協しても、持ち歩きやすさやコスパを優先させたい人向け
上記2つのiPad以外の製品は、それらの中間に位置しています。つまり、
- 論文はある程度しっかり読みたいので、iPad miniは小さすぎ
- 一方で、12.9インチは大きすぎ・重すぎ・高すぎ
という方に向いています。
ホームボタンの残るiPad(無印)はデザイン的には正直いまいちなので、現在のラインナップで勧めるなら
- iPad Air(10.9インチ)
になると思います。iPad Pro 11インチとほぼ変わらない画面サイズ・デザインながら、価格は抑えられています。proとの違いは
- CPUの処理性能の違い(一概にproの方が優れているわけではなく、論文閲覧の用途ならほぼ影響なし)
- カメラ性能(タブレットで写真撮影することはほぼない)
- リフレッシュレート(画面表示の切り替えの速さ=論文閲覧の用途ならほぼ影響なし)
- スピーカー(iPadでわざわざ音楽聞かない:映画鑑賞する方は関係あり?)
くらいしかないにも関わらず、2万円以上の価格差があります。
論文を読む目的でこのサイズのiPadを求める方は、iPad Airが最もお勧めだと思います。
結論:論文閲覧にはタブレット、特にiPadがお勧め
タブレットを使用することで、紙やPCの長所・短所を補い合いながら快適に論文を読むことができます。
Kaiのお勧めはiPad、特にiPad pro 12.9インチです。